第23期 会長の挨拶

会長就任にあたって

Inaugural Address by the President for the Twenty-third Term

可視化情報学会 第23期会長
岡本 孝司
[東京大学 大学院工学系研究科]

Koji OKAMOTO
okamoto201111.jpg


7月18日に開催された可視化情報学会第23期定例総会において,第23期の会長に推挙され,就任することになりました.大変光栄に存じますとともに,責任の重さを痛感し,身の引き締まる思いです.本学会は、公益法人改革に対応して、平成23年6月1日に、一般社団法人「可視化情報学会」として認可され、新たな出発をしました。歴史を振り返りますと、昭和56年に「流れの可視化学会」としてスタートし、その後平成2年に社団法人「可視化情報学会」として法人化を行っています。今回、名称は、社団法人から一般社団法人に変わっただけでありますが、定款は大幅に変更され、より公共性や独立性の高い法人としての活動を行うことが社会より求められてきております。前期は、菱田前会長の下、一般社団法人への移行に伴う議論の中で、改めて公益事業を進めていく学術団体としての可視化情報学会の在り方と位置づけが確認されてきました。
 本来、学会とは同じ興味をもった会員が集まり、会員相互の情報交換を行うとともに、より大きな学術的創成を進めるために、法人格をもった社会集団です。30年にわたる学会の発展を通して、可視化情報学会は、国際会議の企画開催や学術論文集の発行をすすめ、社会に貢献し、人類の福祉向上のために活動を推進してきています。特に、International Symposium on Flow Visualization (ISFV)は、既に14回を数え、世界中の流れの可視化研究者が集う、有数の国際会議として認知されてきています。来年はミンスクでの開催ですが、2014年には再び日本に戻って沖縄において開催される予定です。ISFV以外にも数多くの国際会議を主催し、日本の優れた科学技術を、世界にアピールしてきています。
 21世紀において、「可視化」はますます重要な技術となってきています。「流れの可視化」技術においては、ハードウエアとソフトウエアの進歩により、より大量で詳細な情報が得られるようになってきました。情報の種類や量も爆発的に増大し、「情報の可視化」技術はますます重要な技術となってきています。先端的学融合技術である「可視化」をより推進させ、新しい概念の構築や、学術創成につなげていく事が、これからの学会には必要です。これには数年の期間がかかるかもしれませんが、今年は、そのための新たなスタートをきるために、いろいろな活動を進めていきたいと考えています。特に、優れた技術を背景に、学会としてもその情報発信の重要性を強く感じています。
 学会の英文論文集Journal of Visualizationは、継続的にSpringer社より発刊されていますが、そのクオリティーはどんどん上がってきています。論文採択率が40%を切っており、より優れた論文のみが刊行されています。国際的情報発信をさらに拡大するとともに、その質をさらに向上していくことが必須の課題であると思います。和文論文集はJ-Stage上で公開されています。また古い学会誌も、同様にJ-StageのJournal@rchivesで公開されており、学会の活動の歴史を容易に知ることができます。学会誌の内容も充実してきており、新しい学融合のために、是非有効活用いただけることを望んでやみません。
 一般社団法人としてのスタートの時にあたり、ぜひ、会員の皆様の、学融合を推進するためのツールとして、可視化情報学会の活動へのご協力と、さらなるご支援をお願いしたいと思っております。