第29期 表彰

第29期学会賞

論文賞

(1)
受賞者: Tomohiko Tanaka, Rei Asami, Ken-ichi Kawabata, Kunio Hashiba, Takashi Okada, Tomohide Nishiyama
表  題: A posteriori accuracy estimation of ultrasonic vector-flow mapping (VFM)
対象論文: Journal of Visualization, Vol.20(3),pp.607-623.
推薦理由: 心臓内の血流ベクトル可視化技術(VFM)の臨床応用に向けては、測定結果の信頼性担保が課題であったが、本論文掲載の提案手法により課題が解決され、血流動態を可視化するキー技術が確立された。また、提案手法に基づき、VFMが世界で初めて製品化された。提案手法は、技術の新規性・信頼性が優れたものと認められるだけでなく、血流動態評価による心不全の早期診断や予後予測に関する社会の高い関心とニーズに応えるものであり、受賞に相応しいと認める。
(2)
受賞者: 川嶋大介(千葉大学), 角田直人(首都大学東京), 有本英伸(産業技術総合研究所), 近藤克哉(鳥取大学), 山田幸生(電気通信大学)
表  題: 近赤外域の単一波長を利用した中和反応で生成する塩濃度の可視化
対象論文: 可視化情報学会論文集Vol.36, No.12 (2016年12月)
推薦理由: 本論文は中和反応時に生成される塩の濃度イメージング法を提案し、その有用性を明らかにしたものである。提案手法は、簡便かつ低コストで実施でき、かつ、高速なイメージングが可能であるため速い過渡現象にも応用できる。提案手法は、複数の化学種の混合場における反応輸送現象の可視定量的な解明にとって有用な技術であり、受賞に相応しいと認める。

技術賞(カテゴリI)


表  題: 超音波パルスドップラーによる食品物性の定量可視化技術
著  者: 芳田泰基(北海道大学), 田坂裕司(北海道大学), 朴炫珍(北海道大学) 村井祐一(北海道大学)
対象論文: Journal of Visualization, Vol.21 (2), pp.253-265 (2018年4月)
推薦理由: 本論文は、超音波ドップラー法を食品レオロジーの評価技術に使えるよう、新たな計測原理を開発し、その機能を立証したものである。提案手法は、フルーツ表皮の高度や内部空隙・液胞の空間分布を容易にイメージングすることを可能にしており、新たな非破壊検査技術として農業現場から食品加工ラインまで、直ちに実用化できる。非破壊での物性空間分布の可視化技術として、さらに技術発展の余地もある上、今後幅広い分野での普及が期待できる。以上により、受賞に相応しいと認める。

技術賞(カテゴリII)


対象製品: 日本カノマックス株式会社 (トモグラフィックPIVシステム FlowMaster PIV)
表彰内容: 可視化計測技術応用製品の販売と普及
推薦理由: 流体計測の分野で近年、急速な進歩を遂げたPIVにおいて、その最新の三次元計測技術がトモグラフィックPIVである。日本カノマックス株式会社は、この技術を製品化したDaVisの販売を通し、技術の普及に大きく貢献した。また、同社は、本学会主催のPIV講習会(可視化フロンティア)において、最新の計測技術の実演を通じて、技術者教育にも大きな貢献を成した。以上のような同社の技術的開発と本学会に対する貢献は、技術賞の授与に値すると判断する。

奨励賞

(1)
受 賞 者: 尾上 洋介(日本大学)
表  題: Group In a Box グラフ描画におけるツリー再配置
対象業績: 可視化情報シンポジウム (2017年7月) B108
推薦理由: グラフの描画においてノード配置は最大かつ最も根幹的な問題であり、長い研究の歴史があるにも関わらず現在も活発に議論されている。その問題において、対象となるグラフのデータ構造をツリーに置き換えてその順番を最適化するという解法の提案は秀逸であり、信頼性、汎用性、そして今後の発展性において大いに評価できる。以上により受賞に相応しいと認める。
(2)
受 賞 者: 山下 翔伍(トヨタ自動車)
表  題: パルスLEDを用いた感圧塗料計測における強度法と寿命法の比較
対象業績: 全国講演会(室蘭2017) 講演論文集, OS7-2-11
推薦理由: 本研究は、物体表面上の圧力や温度分布が可視化できる感圧・感温塗料(PSP/TSP)計測法の感度および計測精度を、従来法よりも大幅に向上させることに成功したものである。具体的には、励起・撮影法および圧力の評価法に着目し、センサであるPSPの発光特性(強度、寿命)を最大限に有効利用するような2つの新たな技術を開発している。開発した技術は、数々あるPSP塗膜方式の全てで利用可能であり、また、これまでのPSP計測事例への導入も容易である。そのアイデアの柔軟性や挑戦的な試みは、奨励賞に相応しいと認める。

映像賞


受 賞 者: 新原 俊樹(九州大学)
表  題: ファイルサーバ内の電子ファイル格納状況と時間変化の可視化
対象業績: 可視化情報学会ホームページフラッシュ掲載/可視化情報シンポジウム (2017年7月) ,B211
推薦理由: 本作品は、ファイルサーバ内の電子ファイルの保存状況およびその時間変化をツリー構造で表現し、非現用となった電子ファイルがファイルサーバ内のどこに存在しているのかを直感的に把握することができるように可視化したものである。また、本作品に付属する機能として、ツリー構造から当該電子ファイルに直接アクセスし、非現用の電子ファイルを除去することも可能にしている。公文書管理に関する問題が取り沙汰される昨今において、文書管理の課題解決に向けたツールとしての活用も期待できる作品である。以上により、受賞に値する作品と認める。

貢献賞


受 賞 社: 株式会社フォトロン
表  題: 可視化情報学会運営に関する貢献
対象貢献: 長年にわたり,学会の機器展示や広告掲載を通じて,学会運営に多大な貢献を果たしてきた.また,最先端の高速度カメラを開発・製造・販売し,可視化研究の推進に大いに貢献した.
推薦理由: 株式会社フォトロンは、長年にわたり、可視化情報シンポジウム、可視化情報全国講演会などの本学会主催のイベントにおいて、企業展示や広告掲載、可視化フロンティアPIV講習会の講師等を通じて、学会運営に多大かつ継続的な貢献を果たしてきた。また、最先端の高速度カメラの製品開発を行い、その製品はDynamic PIVに代表される革新的な可視化計測手法を数多く生み出すきっかけとなった。以上の理由から、貢献賞に相応しいと認める。

可視化情報学会 特別表彰


(1)門脇 美由紀「前事務局長としての学会運営に関わる多大な貢献」

第45回可視化情報シンポジウム

ベストプレゼンテーション賞

(1) 講演題目:「線形最小二乗法を用いた蛍光油膜画像における表面摩擦応力場の推定」
 講演者:李 澤辰(東北大学)

(2) 講演題目:「ノズルを含む3次元非定常流れ方向データの定量的可視化法」
 講演者:尾亦 範泰(東京大学)

(3) 講演題目:「店舗内の歩行者行動分析のための3次元時系列可視化」
 講演者:岡田 佳也(お茶の水女子大学)

(4) 講演題目:「蛍光異方性の温度依存性に対する溶液粘度の影響」
 講演者:執行 悠太(東京理科大学)

アート賞

大賞 溝口 美生,櫻井 亮介 (東京理科大学)
“Droplet painting”

金賞 新原 俊樹(東北大学)
“ファイルサーバ内の電子ファイル格納状況の可視化”

銀賞 藤田 涼亮,藤田 健介 (東京理科大学)
“Invisible canvas”

全国講演会(室蘭2017)

ベストプレゼンテーション賞

(1) 山本駿悟(室蘭工業大学大学院)
「熱画像法による水素吸蔵合金充填容器の発熱分布の可視化」

(2) 河内拓也(東京工業大学大学院)
「開口合成法を用いたエコーPIVの開発」

(3) 池田拓士(九州工業大学大学院)
「弾性運動翼の弾性変形部壁面近傍の渦度の成長」

(4) 野田達也(室蘭工業大学大学院)
「中空円筒内を流れる作動油のキャビテーション噴流の可視化実験(面取りおよびテーパ形状の影響」